クロード・モネ つみわら

Wheatstacks, 1890-91, 65.8 x 101 cm, 25 7-8 x 39 3-4 in, The Art Institute of Chicago.jpg クロード・モネ
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ギャラリー・フェイクの記念すべき第一巻にクロード・モネの「つみわら」が出てきます。

クロード・モネは日本人が特に大好きな印象派を代表する画家の一人で、差し込む光とそれが時間と友に変化する瞬間を切り取る事が上手な画家だと言われています。そんなクロード・モネとつみわらをご紹介します。

※「ギャラリーフェイク」上では「つみわら」と記載されていますが、ネット上では「積みわら」と表記されていることが多いため、以後「積みわら」に統一します。

※この記事は現在書きかけ中で、随時記載を追記しています。

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モネのざっくりとした生い立ちと時代背景

クロード・モネは1840年フランスのパリ9区で生まれました。有名なオペラハウスや美術館のあるエリアです。大体この辺ですね。

1840年と言えば、清とイギリスの間で「アヘン戦争」が始まった年であり、日本では江戸時代で老中首座の水野忠邦が「天保の改革」を行っていました。日本は縄文時代ではありませんでした。良かったです(何が?)。そんな年にモネは生まれたんですね。

その後5歳頃からは同じくフランスのノルマンディーに移り18歳頃までの特に多感な時期をそこで過ごしました。

そして20歳の時、パリに出て、私立の画塾に通います。ここは学費が安く、貧しい学生でもデッサンを学ぶことが出来たそうです。その後徴兵されアルジェリアに出たりロンドンに行ったりしますが、捜索活動の多くをパリで過ごしました。すいません、詳しく知りたい人はあとこちら見てください(手抜き?)。

「積みわら」は全部で何枚あるのかな?

実はモネの「積みわら」というのは1作品だけではありません。実は何十枚もつみわらシリーズ、連作があります。Wikipediaでは25作品が掲載されていますが、実際は現在35作品が確認されています。

ウィルデンシュタインのレゾネにリスティングされています。国立近代美術館アートライブラリにウィルデンシュタインのレゾネがあります。行ってきました。詳しくはこちらをご覧下さい。

日本ではどこで見られるのか?

日本では現在3作品が所蔵されています。一つは上野の国立西洋美術館に、もう一つは箱根にあるポーラ博物館、そして岡山県倉敷市にある大原美術館です。

国立西洋美術館の積みわら

国立西洋美術館に収蔵されているものは素描、つまりデッサンです。常設展示ではないので、あまり展示はされていません。サイトをチェックしてから行くようにしましょう。

国立西洋美術館
・営業日:細かくはこちらをご覧下さい。

大原美術館の積みわら

なんとここの「積みわら」は元々松方コレクションのだったんですね。上野にある国立西洋博物館はご存じの方も多いでしょう。実は国立西洋美術館は松方コレクションを所蔵公開するために作られた美術館です。松方は戦前造船業で財をなした大富豪ですが、審美眼があり沢山の美術品をヨーロッパで買い集め、日本に持ち帰りました。国立西洋博物館の入口のところにロダンの「地獄の門」が設置されていますのを見た人もいるでしょう。超巨大ですよね。
モネ つみわら
モネ つみわら

この大原美術館の積みわらは、松方が社長を務めていた川崎造船所が不況のあおりで倒産した際に日本国内で売りに出され、幾人かの手を経て、大原美術館に売却されたものです。

大原美術館
・営業日:毎週火曜日~日曜日 9:00~17:00(入館は16:30まで)

 

ポーラ美術館の積みわら

ところで、どうしてモネは25作品も同じモチーフを書いたのでしょうか。一連の「積みわら」は、モネを語るときの一番大事な作品群になっています。時とともに移りゆく光の変化が、芸術家としてのインスピレーションを刺激し続けたのかも知れません。思い込むとドーン!と言ってしまう性格だったのかも知れません。私も一時期ケンタッキーのビスケットの虜になってしまい、毎日食べていた時期がありました。あの時代は1コ100円だったので買いやすかったのですが、今なぜか220円もします。ひどいです。もう毎日食べられません。

ポーラ美術館
・営業日:年中無休で午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)

 

「積みわら」は今買うといくらするのか?

「積みわら」美術品を手に入れる方法は大体二つです。買うか盗むかです。後者はさておき、前者の場合はほとんどんがオークション(入札)で手に入れる事になります。

この手の大作、大物になりますと、当たり前ですが、そもそも売っていません。特に国公立の美術館に収蔵されてしまうと、ほぼノーチャンスと言っていいでしょう。なので当然なので売りに出されると、昨今は特にとんでもない値がつきやすくなります。

運良く売りに出されたとするなら、さて、一体モネの「積みわら」は一体いくらするのでしょう?

2019年5月14日にニューヨークで行われたサザビースのオークションにクロード・モネの「積みわら」が競売にかけられました。

その金額はなんと

・・・・

 

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122億円!(@0@)!!

この積みわらは果たしてどれなのか、写真を元に、ウィルデンシュタインのレゾネで調べて別途御報告したいと思いますが、この絵の前回の落札額が2億7千万。今回が122億円です。たった33年の間に45倍・・・。恐ろしい高騰っぷりです。やはりオイルマネーかチャイナマネーでしょうか。

ちなみに最近の「積みわら」がオークションに出た例としては、2016年11月に米国でクリスティーズのオークションでモネの「積みわら」が売却されたのが直近の事例でした。

 

クロード・モネ つみわら
写真引用:AFPニュースサイトより

こちらもその値段はなんと・・・

88億円!(@0@)!!

これも当時、モネの作品の中でも過去最高の値がついたそうです。もうアゴが外れます・・・。

昨今の世界的貧乏層と富裕層の二極化、新興国成金層の台頭によって(書き方にちょっと悪意が見えますが気のせいです)、レアな美術品の価格はうなぎ登りに高くなっている印象をうけます。今後我々のような庶民(断言してすいません)には到底手が届きそうもありません。

ちなみに上の写真はオークション前の内覧会の風景です。思いっきり裸で飾ってありますが、欧米では美術館でも当たり前の風景です。日本の場合ですとアクリルガラスで厳重に警戒展示されたりしますので、羨ましい限りです。これならきっとモネの流れるようなタッチ、マティエール(筆跡)も手に取るように分かるでしょうね。想像しただけで至福の時間になりそうです。それを自宅に飾って見られるなんて、私なら感動の余り毎日チビってしまうかも知れません(余計なコメントですいません)。

ギャラリー・フェイクに出てくる「つみわら」はどのバージョンなのか?

クロード・モネの「つみわら」が25作品もあるという事はご説明しました。それでは、ギャラリー・フェイクに出てくるつみわらは、果たしてど所蔵品をモチーフにしているのでしょう?

クロード・モネ つみわら
クロード・モネ つみわら

 

 

数あるモネの「つみわら」の中でも、一番近いのは、シカゴ美術館にある「つみわら」のような気がします。

Wheatstacks, 1890-91, 65.8 x 101 cm, 25 7-8 x 39 3-4 in, The Art Institute of Chicago.jpg
シカゴ美術館蔵 クロード・モネ つみわら
画像ソース:Wikimedia Commons

「つみわら」が見られる海外の美術館

2018年、海外に出かけた日本人は160万人になりました。多いのか少ないのかよく分からない数字ですが、しばらく海外に出ていない身としてはうらやましい限りです。当然観光で美術館巡りをする方も多いでしょう。では、「つみわら」が見られる海外の美術館はどこなのでしょう。それを以下にまとめてみました。

  • オーストリア国立美術館
    『積みわら – 午後』1890年 – 1891年, オーストラリア国立美術館 画像引用元

    住所:M4XP+PP キャンベラ, オーストラリア オーストラリア首都特別地域
    営業時間:クリスマス以外年中無休 9時~17時

 

  • シカゴ美術館
    シカゴ美術館には合計6枚の「積みわら」が所蔵されています。「積みわら」を見るにはまさに最適な美術館と言えるでしょう。日本語のサイトがあります。
    (1) 『積みわら – 夏の終わり』, 1890年 – 1891年, シカゴ美術館
    『積みわら - 夏の終わり』, 1890年 - 1891年, シカゴ美術館
    (2)『積みわら』, 1890年 – 1891年, シカゴ美術館
    『積みわら』, 1890年 - 1891年, シカゴ美術館
    (3)『積みわら – 日没、雪の効果』, 1890年 – 1891年, シカゴ美術館
    『積みわら - 日没、雪の効果』, 1890年 - 1891年, シカゴ美術館
    (4)『積みわら – 雪の効果、曇天』, 1890年 – 1891年, シカゴ美術館
    『積みわら - 雪の効果、曇天』, 1890年 - 1891年, シカゴ美術館
    (5)『積みわら』, 1890年 – 1891年シカゴ美術館
    『積みわら』, 1890年 - 1891年シカゴ美術館
    (6)『積みわら – 雪融け、日没』, 1890年 – 1891年, シカゴ美術館
    『積みわら - 雪融け、日没』, 1890年 - 1891年, シカゴ美術館住所:111 S Michigan Ave, Chicago, IL 60603 アメリカ合衆国
    営業時間:感謝祭(11月の第四木曜日です)とクリスマス、元旦はお休み。それ以外は毎日
    10時30分~17時。ただし木曜日のみPM 8:00まで営業。

 

  • オルセー美術館
    こちらも日本語のサイトがあります。良かったですね。
    『積みわら – 夏の終わり、朝の効果』, 1891年, オルセー美術館
    『積みわら - 夏の終わり、朝の効果』, 1891年, オルセー美術館 o_Claude_Monet._Haystack._End_of_the_Summer._Morning._1891._Oil_on_canvas._Louvre,_Paris,_France
    住所:1 Rue de la Légion d’Honneur, 75007 Paris, フランス
    営業時間:
    月曜日:休館
    火曜日:9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります。)
    水曜日:9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります。)
    木曜日:9:30~21:45(21:15から閉館準備が始まります。)
    金曜日:9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります。)
    土曜日:9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります。)
    日曜日:9:30~18:00(17:15から閉館館準備が始まります。)
    その他、5月1日、12月25日が休館日です。

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